Kawatana no mori Event Archives
2015年4月2日
photo : Koji Hamabe
「コルトーとティボーの名録残るフランクのヴァイオリン・ソナタを!」という主催者のリクエストに応え、オリヴィエ・シャルリエ氏が選んだ、ロマン派ソナタの大曲三作品という王道プログラムによるヴァイオリン・リサイタル。
ヴァイオリンの共演者としての実績と信頼の厚いピアニスト新居由佳梨さんとの丁丁発止のアンサンブルは、これまでのコルトー音楽祭を凌駕するような感動を、お客様に届けたようでした。
シャルリエ氏の紡ぐ音楽は、彫が深くラテンの魅力溢れるその容姿からは思いがけず、理性的で、構成力に裏打ちされた冷静さの奥底にある熱情が聴衆の本能をゆりうごかす、そんな演奏に感じました。クラシック音楽の真髄に触れられた稀有な夜でした。(企画チーフ増田玲子)
オリヴィエ・シャルリエ Olivier Charlier ヴァイオリン
10歳でパリ国立高等音楽院に入学し、ナディア・ブーランジェ(コルトーが設立したパリ・エコール・ノルマル音楽院初代教員)、ユーディ・メニューイン、ヘンリク・シェリングに師事。ミュンヘン国際音楽コンクール、モントリオール国際コンクール、シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール、ロン=ティボー国際コンクールなどで次々と受賞を重ねる。フランス国立管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめ、世界各国のオーケストラとの共演で国際的なキャリアを築く。幅広いレパートリーを誇り、ベートーヴェン、シューマン、メンデルスゾーン、モーツァルト、ヴィヴァルディ、グリーグ、サン=サーンス、ラロからデュティユーの「夢の木」、グレグソン、ジェラール、スコットの協奏曲まで、積極的にレコーディング活動を行う。若き日に参加したマールボロ音楽祭以来、室内楽にも熱心で、プラード・カザルス音楽祭、ラ・フォル・ジュルネなど各地の音楽祭に定期的に参加。現在、パリ国立高等音楽院教授。
photo : Manabu Hieda
新居 由佳梨 Yukari Arai ピアノ
東京藝大、同大学院を経て、スイス国立ジュネーヴ音楽院修了。第7 回イタリア・モノポリ国際ピアノコンクール第3 位、日本音楽コンクールで2 度の特別賞(共演賞[ヴァイオリン部門])など受賞多数。ショパン音楽祭(パリ)、スタインウェイ・ジャパン(株)によるYoung Virtuoso Series、シャネル(株)「Pygmalion Days」シリーズ、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへの出演など幅広く活躍。伝説のヴァイオリニスト イダ・ヘンデルとの共演CD など国内外の著名器楽奏者との録音・共演も数多い。(財)地域創造「公共ホール音楽活性化事業」2012・13 年度登録アーティスト。スタインウェイ・アーティスト。
オフィシャルサイト http://yukariarai.com
photo : Manabu Hieda
日時:2015年4月2日(木)19:00開演(18:30開場)
出演:
オリヴィエ・シャルリエ(ヴァイオリン)Olivier Charlier, violin
新居由佳梨(ピアノ)Yukari Arai, piano
演奏曲:
ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 op.78 「雨の歌」
グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 op.45
フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調
制作協力:京都フランス音楽アカデミー実行委員会、アンスティチュ・フランセ関西
主催:コルトー音楽祭実行委員会、川棚温泉まちづくり株式会社
photo : Manabu Hieda